
長い間、担当させていただいた利用者様がお亡くなりになり、家族葬に参列することになりました。
ご家族とは介護の方針や利用者様の状態の連絡だけではなく、深いかかわりがありました。
家族葬は首都圏を中心に増えている葬儀です。今回はじめて家族葬に参列したことについて書いていきたいと思います。
家族葬とは
家族葬とは、家族や親族、故人と仲の良かった人だけで行われる葬儀です。
家族葬では参列者を事前に決めておくため、会葬者、参列者の人数が少なく、一般葬と比べると規模の小さなお葬式になります。
故人と親しい間柄の人たちだけで、落ち着いたお別れができるという点が一般葬との違いです。
また、高齢のため、本来であれば参列される方も体調を崩されるといった理由から、参列者の数が減ることも家族葬になる要因のようです。
私が参加した家族葬では、利用者様がお亡くなりになる前に家族葬を希望していたそうです。ご家族に参列者について聞いた際、私に参列してほしいということでした。
私の施設では利用者様の葬儀については、個人の裁量で任されているため、利用者様が亡くなられた際は、お通夜でお線香をあげるようにしていました。
そのため、今回のように家族葬に招待を受けたのは初めてです。
訃報の連絡
訃報が来たのは勤務中です。私宛に連絡がきたため応答したところ、利用者様の生前の希望により葬儀に参列してほしいと連絡がありました。
呼ばれたのは私のみでしたが、その日は非番だったので、日時的に問題なく参列できる旨を伝えています。
施設へは家族葬への参列の連絡があったと伝えたところ、施設としてもお線香をあげておくよういわれました。
家族葬を執り行う場合、参列者以外への連絡は葬儀の後に行うそうです。
上司からは、よほど信頼されていたのだろうといわれました。
私としては誰に対しても分け隔てなく対応をしているつもりです。
最後の別れを見送ってもらいたいというお気持ちがあったとは思いもしませんでした。
利用者様はやや気難しい人でしたが、担当していくうちに打ち解けていき、色々お話を聞かせていただくようになったのが思い出です。
ご家庭ができた時のお話や仕事で大きな成果をあげた時のお話など、わが子に聞かせるようでした。
私も思い出から寂しい感情がこみあげてきました。
家族葬の流れ
一般葬と同様の流れで大きな違いはありませんでした。お通夜があって、翌日に葬儀・告別式を行います。その後、出棺・火葬という流れでした。
私は告別式から参加しました。式場には着席するとお坊さんの読経が始まり、弔辞を拝受。焼香をし、最後のお別れをします。故人は眠ったような安らかな顔をされていました。
喪主より挨拶があり、出棺となりました。荼毘にふされ、収骨しました。
家族葬に参列する上でのマナー
参列者が少人数のため、一般葬に比べてラフな印象を受けるかもしれませんが、何も変わりません。故人を偲ぶ気持ちが大切です。
喪服を着用する
家族葬でも喪服の着用が基本です。
しかし、今回の訃報を受けた際、平服でお越しくださいと案内がありました。上司に相談したところ、葬儀での平服は略喪服という意味だそうです。そのため、黒のブラックスーツで参列しました。
略喪服とは、急な弔問や三回忌以降の法要で一般の参列者が着る、準喪服に準ずる喪服で礼服ではない地味な服装を指します。
一般葬だと参列者は喪服を着用する必要がありますが、急な弔問は訃報を聞いて駆けつけるもので喪服でいくと、前もって死を準備したものとみられ不適切だとされるそうです。
ネクタイや靴、靴下も黒にし、シャツは白無地になります。ネクタイピンはつけません。
持ち物について
バッグを使うなら黒が基本です。光沢のある素材やエナメルは避けましょう。
数珠は一人ひとりが持ち、貸し借りをせずに用います。
アクセサリーを身につけている場合、結婚指輪以外はNGです。
雨や雪が降っている場合、傘が必要になりますが派手な柄にならないように、黒や紺、グレーなど地味な色にするかビニール傘にします。
スマートフォンは音に注意してください。着信音が鳴らないようにマナーモードにしておくのは当然ですが、アラームを設定している場合は解除しておいてください。
葬儀の雰囲気を台無しにしてしまいます。
香典は送らない
一般葬の場合、香典を送り、香典返しをいただきますが、家族葬では香典を辞退する場合が多いそうです。
私が参列した家族葬でも香典は辞退すると伝えられました。
ただし、あくまでも辞退する場合が多いのであって、すべての家族葬で辞退するとは限りません。今回のように連絡時に辞退すると伝えられていない場合は用意しておいたほうがいいでしょう。
供物や供花は持っていかないのが礼儀
香典を辞退している場合、供物や供花も持参するのは止めておきましょう。供物や供花でも、お返しが必要になります。
ご遺族の負担を軽くするためにも供物や供花は控えるようにしてください。
お悔やみの言葉
葬儀に参列した場合、一般葬と同じようにご遺族にお悔やみの言葉をおかけしました。
「この度は、まことにご愁傷様でございます。心からお悔やみ申しあげます。」というように自然な言葉で悲しい気持ちになっているご遺族の気持ちに寄り添うようにしています。
お悔やみの言葉には敬語のような言葉遣いや、宗教によっても言い回しが異なります。特に忌み言葉を使わないように注意しましょう。
忌み言葉について
忌み言葉とは冠婚葬祭で控えるべき言葉です。
生死の表現は、死についてはご他界、生きていた頃はお元気でいた頃に言い換えましょう。「長生きされた」もNGです。
また、「くれぐれ」や「いよいよ」といった重ね言葉は不幸が繰り返されるイメージを持つので使わないように気をつけましょう。さらに、「再び」、「引き続き」なども不幸が続くことを連想させる言葉なのでNGです。
「頑張ってください」や「元気を出してください」などの言葉は励ましているつもりでも、相手が負担に感じることがある言葉なのでかけるのはやめましょう。
焼香のやり方
焼香は宗派によって回数の違いがあります。順番が来たら、親族や僧侶に一礼し、焼香をします。右手の親指、人差し指、中指で抹香をつまむようにしましょう。
合掌し霊前に向かって深く一礼、親族や僧侶に黙礼して終わりです。
お線香で焼香する場合、1本ずつ立てて、手で払って火を消すようにしてください。息を吹きかけるのはマナー違反です。
キリスト教だと焼香の代わりに献花、神式だと玉串か榊を奉奠します。
決められたやり方はありますが、心を込めて故人を送り出す気持ちが大切です。
お別れの会に参列してみての感想
私が参加した家族葬はご家族と親族、親しい知人と20人ほどの人数で執り行われました。
一般葬と比べて、人数が少ないためご遺族と故人との思い出をお話しできました。
施設を利用された頃のご様子や思い出話をしています。ご遺族によると当初は施設に通うことを嫌がっていたそうです。
しかし、私が色々サポートしたことで、施設の利用者間で友人ができ、施設に通うことが楽しみだったといっていただきました。
利用者様には真摯に向き合っていたつもりです。
実際にお言葉をいただき、感動と当時の想いが溢れてきました。
気難しいところもありましたが、優しさやユーモアのある方で、今となってはいい思い出しかありません。
今回のは「お別れの会」という形でとりおこなえたので、今までやってきたことを振り返れたと思います。
豪華な葬儀ではありませんでしたが、故人の人柄が表れた素晴らしい葬儀でした。
「お別れ会」には規模や趣向などに合わせて自由度が高く形式にとらわれない追悼行事です。
故人らしさをプロデュースした唯一無二の会を成功させるには、実績と専門性の高い葬儀屋さんに相談するがよいでしょう。