
保育士もまだまだ不足している
社会人で保育士の免許を持っているけれど、今現在は保育士の仕事をしていないという人は、定期的に保育士の仕事をしてほしいという行政からの手紙を受け取ることがあります。
全国的に保育士は不足していて、保育士の国家資格を持っている人に職場復帰してほしいと、行政が声をかけているのですね。
介護士同様、保育士も深刻な人員不足が問題となっている職業。
保育士が不足してしまう背景には、過度な残業や賃金の低さ、現場の人間関係などの問題があるといわれています。
保育士の仕事はかなりハードで、保育園の開園時間に合わせて2~3パターンのシフトを組んでいる園が多いですが、定時で帰宅できることはほとんどないといわれています。
例えば16時までの勤務だったとしても、子どもが呼んでいるのにそのまま帰るわけにはいきませんし、保護者に呼び止められて相談を受ければその相談に乗る。
すると結局閉園時間まで働いていた、ということもしばしばあるようです。
また、閉園後は保育に使う道具を手作りしたり、運動会や発表会の準備、ミーティングなど業務外にやらなければならない仕事がとても多いので、帰宅してもずっと作業をしているという保育士が少なくありません。
それほど大変な業務を日々こなしているのに、保育士の賃金は決して高いとはいえない現実があります。
派遣で事務の仕事をしているほうがプライベートの時間を確保しながら一定の収入が得られると、異業種へ転職してしまう人も多いです。
保育士不足を解消するには?
まずは、保育士の雇用条件を安定させることが先決だと思われます。
定時で帰宅できるようにシフトの組み方を調整したり、賃金を上げることで保育士が安定して仕事ができる環境を整えることは、保育士不足の解消において一番重要な課題です。
現状、求人サイト等に出されている求人情報を見ると、比較的賃金の高い東京でも、大体月給19万~22万ぐらいが相場のようです。
また、保育士不足の解消でもう一つの課題は保護者との関わりです。
保護者との関係に行き詰まって保育士の仕事から離れてしまう人も少なくありません。
預けている以上しっかり見ていてほしいと思う保護者の気持ちはもちろんわかるのですが、保護者が見ていられない時間に、保育士が我が子のお世話をしてくれているのですから、もっと感謝の気持ちを持つことが大切です。
逆の立場になって考えてみると、保育士側の気持ちもきっとわかると思います。
もともと保育士は子どもが好き、保育士の仕事が好きだから国家資格を取得しているのです。
保育士として頑張っていたけれど、いたしかたなく現場を退いたという人もたくさんいるんと思います。
安心して働くことができるなら、保育士に復帰したいと考えている人も多いはずです。
まずは、保育士の仕事がしたいと思えるような環境をつくることが、社会のテーマであるといえるでしょう。